高城剛氏の最新刊『分断した世界 逆転するグローバリズムの行方』を読みました。ベルリンの壁が崩壊して世界が一つになった1989年から、英国がEUを離脱して世界が30年ぶりに分断の時代を迎える2019年までを、氏が独自の視点で書いた一冊です。 ここ数年、行き過ぎた資本主義とグローバリゼーションへの反動が様々な国や地域でどんどん大きくなっていますが、実際に世界中を回って分断を肌で感じている高城センセならではの内容になっていて読み応えがありました。
興味深かったのが、これまで新しいメディアが登場して普及することによって、バブルが巻き起こり崩壊するという氏の解釈です。世界恐慌、ニクソンショック、ブラックマンデー、インターネットバブル、サブプライムと、バブルとその破綻は情報の爆発によって引き起こされるとすれば、スマートフォンと高速ワイヤレス回線によるバブル崩壊が必ず起きるという仮説は説得力がありましたね。人々は魔法の機械を入手すると、全く知らない世界の情報を簡単に手にするようになり、どうにか一儲けできないかと欲が湧いて悪巧みを考えてしまうと。歴史はまた繰り返されてしまうんでしょうか。
そして、2020年から2049年まで、30年後に世界は再び一つになるという未来予測を、氏の独自解釈で書き上げた後編が今秋発売されるそうなのでそちらも楽しみです。
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