学生の頃からDJをやっていたこともあり、かつては数千枚ものアナログレコードに自宅を占有され、オーディオ機器にも色々と試行錯誤してそれなりにお金をかけてきたと自負していますが、数年前に所有していた全ての音楽はデジタル化して手放し、現在はMacBookとiOSデバイスを中心にしたコンパクトなシステムへと再構築しました。所有する全ての音楽と映像に加えて、本格的なリスニングやDJができる高性能なオーディオシステムが、バッグで一つで持ち運べるなんて本当に良い時代です。
ということでそんなボクが現在愛用しているオーディオシステムを紹介します。
ここ数年は『Devialet(デヴィアレ)』によるワイヤレススピーカーをメインスピーカーとして愛用していて、音楽ストリーミングサービスを中心に音楽を楽しんでいます。直径20cmほどの大きさで白が基調の曲線的な美しいデザインですが、最大出力900W、音圧レベル98dBと驚異的なスペックで、壁を振動させることによって同サイズのスピーカーの20倍の圧力を生じることができ、ボディからは想像できない圧倒的な重低音とクリアな音質を実現しています。BluetoothとWi-Fiに対応し、オプティカルと3.5mmミニジャックで有線接続も可能です。
音楽ストリーミングサービスはすっかり音楽を楽しむための生活インフラになりましたが、近年は「Apple Music」と『TIDAL(タイダル)』を愛用しています。『TIDAL』は最高峰の音質を誇る音楽ストリーミングサービスで、圧縮フォーマット以外に44.1kHz/16bitのCDクオリティのFLACファイルと、MQAによる96KHz/24bitのハイレゾファイルで配信しているのが特徴です。アプリのユーザーインターフェイスは洗練されたクールなデザインで使いやすく、個人に合わせたレコメンド機能だけでなく、アーティストや専門家がセレクトした音楽やプレイリストなども充実しています。
気軽に聴きたい時はiPhoneかiPadからワイヤレススピーカー「Devialet Phantom II」にAirPlayで再生することが多いですが、より高音質で聴きたい時は、MacBookから高音質ミュージックプレーヤー「Audirvana」を使って再生しています。「Audirvana」はミュージックアプリのライブラリと同期できるだけでなく、『TIDAL』で配信されている音楽の検索や再生、お気に入りリストやプレイリストの作成などが可能です。
また、アプリでMQAデコードが可能なので、MQA非対応のDACとの組み合わせでもMQA本来のスペックを発揮してネイティブ再生を行うことができ、UPnP/DLNAで音質の劣化なく「Devialet Phantom Reactor」にワイヤレス接続することができます。さらにAudio UnitsとVSTのオーディオプラグインを使って、ルーム環境の響きの修正やオーディオシステムの音質特徴を変更できたり、スマートフォンアプリを使ってリモートコントロールも可能です。
今年から使い始めた、USBバスパワー駆動の小型DAC。コンパクトなアルミボディに4.4mmと6.3mmのヘッドフォン出力端子、RCAピンジャックを搭載し、最大384kHz/32bitのPCMとDXD、DSD256、MQAフルデコードに対応。ヘッドフォンアンプとしてはもちろん、様々な出力端子から同時出力可能なので、ここ数年愛用しているコンパクトでポータブルなスピーカーシステムと組み合わせて使ってもバッチリです。2万円とは思えない脅威のパフォーマンスで素晴らしいですね。
4.IK Multimedia iLoud Micro Monitor White Special Edition
近年愛用している『IK Multimedia』の超小型パワードスピーカー。色づけされていないクリアな音質で、片手で持てるサイズの本体からは想像できないような低音を実現。音声入力にはRCAピンジャック、3.5mmステレオミニジャックを搭載している他、Bluetooth接続にも対応しているので、様々な機器からダイレクトに接続することが可能。 ペアでも重さ1.7kgと軽量なので、MacBook Proと組み合わせればどこにでも持ち運べるポータブルスタジオになります。
USBバスパワー駆動の小型DAC「iFi Audio ZEN DAC」からRCAケーブルを使って接続していて、より本格的にリスニングをしたい時は「Devialet Phantom II」をサブウーファーとして組み合わせています。
最近愛用している『Ultrasone』のスタジオモニターヘッドフォン。持ち運びに便利な折りたたみ式で、片出しケーブルは着脱可能でストレートケーブルとカールケーブルを付け替えられるのでDJプレイにも最適です。今までに色々なヘッドフォンを使ってきましたが、高音質で解像度の高いサウンドにも関わらず、価格もリーズナブルで非常にコスパが高くて素晴らしいですね。
ノイズキャンセリング機能も無くワイヤレスでもありませんが、音楽制作やDJプレイに使えないヘッドフォンって毎回すぐに使わなくなってしまうんですよね。
6.Etymotic Research ER4XR + Etymotion BT + Comply P-Series
『Etymotic Resarch』の抜群の遮音性能と原音再生能力を兼ね備えた高音質に低音を強化したモデル『ER4XR』に、Bluetoothワイヤレスケーブルと組み合わせて使っています。ワイヤレスケーブルには専用DACとヘッドフォンアンプを搭載し、従来のBluetoothイヤフォンを凌駕する省電力と高音質再生を実現。さらにイヤフォンチップをコンプライのポリウレタン製チップに交換することで、より遮音性と装着感が高まって低音もしっかり出るようになります。また、ケーブルはワンタッチで交換可能なので、音楽制作や本格的にリスニングをしたい時は、有線タイプに切り替えています。
オフィスやオンライン会議、ランニングなどのスポーツの時には、周囲の音を遮断しない『AirPods Pro』を愛用しています。「Etymotic Research ER4XR」の遮音性の高さと解像度の高いサウンドは本当に素晴らしいんですが、やはりフルワイヤレスイヤフォンの快適さから抜け出すことは難しかったですね。
最近使い始めた、DJソフト「Serato DJ」に対応したDJコントローラー。ヒップホップ育ちとしては、スクラッチしやすい大型のジョグホイールと縦置きしたターンテーブルのようなレイアウトで気に入っています。その分サイズは少し大きめですが、重さは2.1 kgと比較的軽量で持ち運びも苦になりません。さらに「Serato DJ」は「TIDAL」で配信されている音楽を使ったDJプレイが可能なので、DJをするのに音楽はもはや非物質なデジタルデータすらも所有する必要が無い時代になりました。
よくあるDJ用ラップトップスタンドとは違い、アルミとステンレスの質感が美しい。持ち運びの際にはフラットに折り畳んで、付属の12インチレコードサイズのキャリングポーチにコンパクトに収納可能。最近は外でDJする機会はほとんど無くなってしまいましたが、自宅で使用するのにもかさばらないし、立って仕事をしたい時にも重宝しています。
10.AudioQuest Carbon USBケーブル 0.75m(USB Type C-B)
DACやDJコントローラーをMacBookと接続するのには、『AudioQuest』の高音質なUSBケーブルを長年愛用しています。USBケーブルによるオーディオデータのデジタル伝送でも、ジッターによる音のブレで音質は変わりますからね。
今は「Apple Music」と「TIDAL」を合わせても月々わずか4,000円以下で、膨大な音楽とミュージックビデオを無制限で楽しむことができます。本当に良い時代になったとつくづく思う反面、クラブやレコード屋に通っていた昔とは音楽との接し方が変わったせいなのか、反射的に身体が動いたり、感情が揺さぶられることが少なくなって物足りなさを感じています。人は30歳を過ぎるとすでに知っている音楽ばかりを繰り返し聴くようになり、新しい音楽を聴かなくなるという調査結果がありますが、ボクはいつまでも好奇心を持って新しい音楽との出会いを楽しんでいきたいと思います。
INSTはモノやニュースをコンパクトに紹介することを心がけていますが、時々このような長めのポストをコラムとして紹介しています。今までのアーカイブは、カテゴリーメニューの「Column」から表示することができますので、是非チェックしてみてください。また、ボクの所有物をまとめた電子書籍もよろしくお願いします。
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