明けましておめでとうございます。2023年もINSTは情報過多時代のシンプルで豊かなライフスタイルをコンセプトに、本当に役立つモノやニュースをコンパクトに紹介していきたいと思いますので、本年もよろしくお願いします。
INSTでは今までに多くのモノを紹介してきましたが、決して消費主義を奨励したいとは思っていません。ボクは数年前からモノを所有することよりも、情報や知識、体験や経験などへと消費がすっかりシフトし、結婚して父親になった今も、必要以上にモノを所有しないようにコンパクトで身軽な生活を心がけています。
モノも情報も自分にとって重要なのは何かを見極め、無駄をそぎ落とし、本当に大事なことに時間を使う。常にパフォーマンスを発揮するために心身の健康を保ち、今目の前に起きていることに集中する。そして禅的なシンプルライフにハイテクをプラスしたような新しいライフスタイルを、都市と自然を行き来しながら探求していきたいと思います。
ということで2023年最初のポストは、そんな21世紀の新しいシンプルライフのヒントになる書籍を紹介します。これまでのポストも合わせてどうぞ。
#1.人はなぜ物を欲しがるのか – 私たちを支配する「所有」という概念
人がいくら物を手に入れても幸福になれないのはなぜなのかを、心理学、生物学、社会学、行動経済学など多様な分野の知見と事例を通して解説した一冊。人の所有欲には限りが無いので、モノは手に入れてもすぐに満足感は薄れてまた新しいモノが欲しくなってしまうし、高価なブランド品や宝石、家電製品といった物質的なモノを所有することで得られる幸福感よりも、旅行やコンサート、外食といった経験で得られる幸福感は長続きすることが研究でわかっています。
ボクはもう何年も前から高価なモノを所有することよりも、自分の内面を豊かにする経験や時間の使い方に贅沢を感じるようになりました。旅行や食事などを楽しんだ経験は思い出としてずっと残って、振り返る度に幸福感が再生され続けるし、何かを学んだり行動したことは、自分自身の知識やアイデンティティになっていきますからね。今の時代は高価なモノを所有したり、大きな家に住んでたくさんのモノを溜め込むことはダサくて恥ずかしいと思いますね。
#2.限りある時間の使い方
たった4000週間という限られた人生の時間を、生産性や効率化を高めて時間をコントロールすることの限界を受け入れた上で、できるだけ有効に使うための方法や考え方を紹介した一冊。個人的には再確認するような内容が多く、あまり目新しさはありませんでしたが、本書を読むことで日々の習慣を見直すいいきっかけになりました。
今の情報過多時代は、毎日溢れるタスクはどんなに効率化したところで際限が無いし、ネットのニュースやSNS、動画配信サービスを制限無しに見続けていたら時間がいくらあっても足りません。また、あらゆることを合理化を意識し過ぎて人生の楽しみまでそぎ落としてしまっては本末転倒だし、いくら自由に使える時間とお金があったところで、一緒に過ごせる家族や気が置けない友人たちがいなければ本当の豊かさや幸福感は得られないと経験から実感しています。
#3.Die With Zero – 人生が豊かになりすぎる究極のルール
著者は多くの人が使い切れない金を貯めるために働き過ぎていると指摘し、人生を豊かにするためにもっと今を大切にして、生きているうちに金を使い切って「ゼロで死ぬ」ことを目指すための9つのルールを紹介しています。
人生で一番大切な仕事は「思い出づくり」、「今しかできないこと」に投資する、一刻も早く経験に金を使う、年齢にあわせて「金、健康、時間」を最適化するなど、ボク自身の考え方と重なる部分が非常に多くとても共感できましたね。結婚して子供が生まれたこともあり、今一度これからどう生きるかを見直すいいきっかけになりました。老後の不安などから人生の楽しみを先送りにして、働いてお金を稼ぐことが生活の中心になってしまっている人に是非読んで欲しいです。
#4.高城式健康術55 – 医師が教えてくれない家庭の医学 – 高城剛
自他ともに認める健康オタクで「健康のためなら死んでもいい」と言う高城剛氏による健康本。アマゾンの奥地から電気や水道がないアフリカまで飛び回る氏が、そう簡単には倒れないダイハードな健康術55項目を一挙公開。各種検査、愛用サプリメント、食事、アイテム、そして怪しいと言われる最先端の量子医療まで、食事と環境が劇的に変わってしまった現代社会を生き抜く術が紹介されていてとても参考になります。氏が自らの遺伝子情報を公開し、専門家の医師たちと鼎談形式で解説する「BIO HACKING 未来を生きるための遺伝子の理解」も是非合わせ読んで欲しいですね。
ボクも20代の頃から健康のために様々な投資をしてきましたが、近年はもっと自分に合った食事や環境を整えるために有機酸検査などのバイオロジカル検査を受けるようになりました。もう少し子供が大きくなったら一緒に遺伝子検査を受けて、自分自身と子供の「人生の青写真」を読み解こうと思います。
#5.MORE from LESS – 資本主義は脱物質化する
産業革命以降、人間が繁栄すればするほど地球を壊してしまうと信じられてきたが、人間の経済活動を止めるのではなく、テクノロジーによって地球への負荷を減らしていくことでこそ環境問題を解決できると説いた一冊。
「ホール・アース・カタログ」の創始者スチュアート・ブランド氏の著書「地球の論点」を読みやすくしたような内容で、非常に共感する部分が多かったです。資本主義とテクノロジーの発展によって資源を消費しない方向に進歩し、都市化が進むことでエネルギー効率はどんどん良くなっていますが、同時に行き過ぎた資本主義によって世界中で格差と分断の拡大が大きな問題になっています。これからの人間と自然の関係、「新しい社会主義」について改めて考えさせられました。
ボクにとってこのコロナ禍は、子供が生まれたこともあってライフスタイルを大きく変える良い機会になりましたが、その一方で時代はトラベルからサバイバルに突入したと実感します。改めてモノを減らし、仕事や資産など、あらゆるものを分散化して、この先日本が大きく変わるきっかけになるかもしれない首都圏直下型地震への備えはしっかりしつつも、後悔しない人生を送るために今を大切にして生きていきたいと思います。
INSTはモノやニュースをコンパクトに紹介することを心がけていますが、時々このような長めのポストをコラムとして紹介しています。今までのアーカイブは、カテゴリーメニューの「Column」から表示することができますので、是非チェックしてみてください。
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