旅で得られる人生の学び

旅で得られる人生の学び

ボクは昔から旅好きで、東京で普通に働きながら旅を生活の一部にできないかと思い、毎月のように思いつきで国内外色々なところに旅してみたり、普段から旅先のホテルにいる時のように生活したいと思い、無駄なモノを手放してスーツケース2個分の所有物で生活していました。

旅をするようになったきっかけは、行ったことのない場所に行ってみたい、写真や映像で見た素晴らしい風景を実際に見てみたいという好奇心や、忙しい日常から解放されて美しいビーチのある南の島でのんびりしたいなどの単純な欲求からでしたが、次第に旅をすることは、本を読んだり人と会ったりするのと同様に、自分を成長させることができる最高の自己投資になると考えるようになりました。

誰もがスマートフォンを使うようになった今の時代は、実際に自分の目で確かめて、自らの感覚で生の情報を得てきた人と、メディアや表層的なインターネットの情報を手に入れただけでわかった気になっている人との間には、埋めようのない格差が生まれていると思います。料理を例にとってみても写真や動画を見て説明を聞いたところで、匂いや味、食感など、実際に食べてみなければ結局わからないことばかりです。デジタル化が進んで全てがコモディティー化していく中で、唯一価値が上がり続けているのがコピーのできない経験です。

「人生は旅である」という言葉がありますが、今回はボクが旅から得た、人生を豊かに楽しく生きるための学びをいくつか紹介したいと思います。



#1.モノより経験を買うことで幸福感が高まる

旅先でホテルに泊まると、最低限のモノしかないのに何も不満は感じないどころか、普段の生活よりも快適さを感じると思います。もちろん家事などの生活全般に浪費される時間と労力から解放されるのもありますが、少ないモノと広々とした空間はとても気持ちが安らぎます。旅に出ることで普段いかに無駄なモノに囲まれているかを実感できます。

ボクはここ数年あらゆるモノにおいて簡単に持ち運べてそのまま旅先に持ち出せるモノだけを持つようになりましたが、それまでは旅先から帰ってくるたびに普段生活していく上で本当に必要なモノなんてそんなに多くないと感じて、どんどんモノが少なくなっていきました。旅先で限られたモノだけで移動しながら生活をしていると、もっと身軽になってシンプルに生きようと強く思うんですよね。

「幸せをお金で買う」5つの授業 – HAPPY MONEY』によれば、洋服や電子機器、家などの物質的なモノを買うよりも、旅行やライブ、食事などの経験にお金を使った方が幸福になり、さらにそれらは計画を立てて楽しい想像するだけでも幸福感を得られるそうです。確かに形あるモノはいつか壊れるし、手に入れても満足感は薄れてすぐにまた違うモノが欲しくなってしまいますが、経験は思い出としてずっと残るし、自分自身の知識やアイデンティティになっていきます。

たくさんのモノを所有することや経済的な豊かさが、幸福感に直結しないことは今の日本を見ても明らかです。人生を豊かに楽しく生きるために、ボクらはもっと経験にお金を使うべきなんだと思いますね。



#2.計画通りにいかないことやトラブルを楽しめるようになる

旅に出るためには、様々なことを調整して計画する必要があるので、スケジューリングとプランニング能力はもちろん、情報収集能力や決断力も身に付きます。ツアー旅行でなければ自分でわからないことを人に聞いたり、交渉なども必要になってくるので、行動力やコミュニケーション能力も高まるなど、仕事にも活かせる様々な能力が身に付きます。

ただ、いくら計画を立てて準備をしても、旅先では必ず思いがけないことが起きます。うれしい偶然もありますが、うんざりするトラブルがたくさん発生するので、次第に慣れてきてあまり動じなくなります。最初から計画通りにいかないものだという心構えがあれば、怒ったり動揺したりして思考停止にならずに、落ち着いてその問題をどう解決すれば良いかを考えることができます。

柔軟に考えて素早く計画を変更したり、これはこれで貴重な経験として楽しもうと気持ちを切り替えることもできます。世の中には自分でコントロールできないことがたくさんあるし、それに対していちいちストレスを感じても仕方が無いですからね。計画通りにいかないことや、トラブルという偶然を楽しんで切り抜けるという経験は、人生で同じようなことが起きた際の良いシミュレーションになると思います。

もし自分が原因で起きてしまったことであれば、失敗を繰り返さないようにするにはどうすれば良いかを考えて、何かしら得ることができれば次に繋がります。そうすると普段の生活や仕事でも何か新しいことを始める時に、やらないで後悔するよりもまずはやってみようと思えるようになります。試してみることに失敗なんてありませんからね。

旅というのは目的地よりもそれまでの準備や過程の方が重要で、どこかに行くということは結果でしかありません。ここへ行こうと決めてから色々と考えたり、その場所に辿り着くまでに見た景色や出会った人、耳にした音や味わったものなど、起きる様々なことが旅の醍醐味なんですよね。もちろんその中には失敗も含まれます。だからこそ学びを得られると経験から実感しています。



#3.自分自身と向き合うことができる

一人旅は自分勝手に行動できるので、誰かと一緒に行く旅とまた違った楽しさがあると思いますが、やはり一番のメリットは自由に時間を使うことができるので、物事についてじっくり考えたり、自分自身と向き合えることだと思います。

フライト中の機内では強制的にオフラインになるので、電話やメッセージ、世の中に溢れている情報のノイズを遮断することができます。読書や映画鑑賞が捗るし、仕事のアイデアを考えたり、集中して作業に取り組むことができますが、あえて生産性を無視した何もしない時間を作ることも重要です。タスクをこなさなければという縛りから自分を解放し、脳をリラックスさせて自由に遊ばせることで、日々仕事をする中では思いつかなかったアイデアが浮かんできたり、気づけなかった物事の関連性を発見できることがあります。滞在先で海をボーッと眺めて何もせずに気持ちをリセットして、今の自分の活動をゆっくりと総括したり、これからの取り組みたいことについてじっくり考えるのもいいと思います。

幸せな選択、不幸な選択 – 行動科学で最高の人生をデザインする』によれば、人は多く稼げるようになればなるほど、時給がより自分の中で強く意識されるようになり、何もせずに時間を無駄にする事が損としてより強く実感されて、幸せを感じる暇がなくなってしまうそうです。日々のスケジュールや空き時間を全て「何か」で埋めないと気が済まないという人も多いと思いますが、たまには誰とも会わずにインターネットも遮断して、一人っきりで自分自身と向き合う時間を大事にしたいものです。ボクは高価なモノを所有することに全く興味が無いので、こういう時間の使い方に贅沢を感じますね。



#4.クリエイティビティが高まる

クリエイターの高城剛氏は「アイデアと移動距離は比例する」という考え方を提唱し、世界中を移動し続ける生活を送っていますが、やはり実際にその場所に行って体験することで得られる情報量は膨大だと思います。

旅先では触れるもの全てが新鮮に感じるし、気分も前向きになっているので理解が深まって記憶にも残りやすいです。特に海外に行くと普段とは環境がガラッと変わるので、様々な建築物やデザインはもちろん、自然や人からもインスピレーションをもらうことができます。さらに行った国の歴史や多様な文化だけでなく、政治や経済などにも興味がでてくるので、自分の興味の範囲を拡張できるし、日本に住んでいるだけでは気が付かなかった新しい視点を持つことができます。

また、旅先で不便や制約がある環境の中でどう工夫をするかというのは、クリエイティビティを高める最良のトレーニングになります。制約の中でどうやるかという工夫を楽しめれば、どんな状況でも自分のパフォーマンスを発揮できるようになります。日本にいると色々なことが便利になり過ぎていて、つい工夫を楽しむということを忘れてしまい、創造性が失われてしまうんじゃないかという気がしますね。

ボクらクリエイターのような何かを生み出す仕事をしている人たちは、遊び心と好奇心が旺盛で子どものような人が多いですが、職種に限らず仕事ができる人たちこそたくさん遊んでいるし、色々なところに行っておもしろい体験をしている人が多いと実感します。仕事と無関係の趣味や遊びに没頭することで、日常の仕事から完全に距離を置いて脳が活性化されたり、全てを自分の意思で自由にコントロールしている感覚を得られたりと、メリットはたくさんあるとは思いますが、何よりただ楽しいからやってるんだと思います。

日本人の多くは仕事ばかりして遊びは時間の無駄だと考えがちですが、遊び心と好奇心こそが創造性を育むと経験上思うし、様々な仕事がロボットに置き替えられていくこれからの時代は、思いっきり遊んだり、旅行したり、好きなことに打ち込んだりすることがますます重要になっていくと思いますね。



#5.新しい価値観に出会える

海外に行くと、日本では常識だと思っていたことがそうではないということがたくさんあります。1つのコミュニティにいると、知らず知らずのうちに自分たちの常識に凝り固まってしまいがちですが、旅をして新しい価値観に出会うことによって、自分の中の常識を疑うことができたり、大事な部分に気づけることがあると実感しますね。

日本では電車は時間通りに運行されるのが当たり前で、少しでも遅れれば謝罪のアナウンスが流れますが、海外では電車は遅延するのが当たり前です。

日本の職場では昼休みを1時間ほど取って外食したり、持参した弁当を食べるのが当たり前ですが、スペインの職場では昼には一度家に帰って家族で食事をして、昼寝をしてから夕方に仕事に戻るのが当たり前です。

日本の会社の夏期休暇は5日が当たり前ですが、オーストラリアでは1ヶ月半、ヨーロッパでは1ヶ月以上が当たり前です。

日本人は老後が不安なのか、人生の楽しみが残されていると思っているのか、若い頃に旅行や遊ぶのを我慢している人が多いです。その上働いてお金を稼ぐことが生活の中心になっていて、一体何のために働いているのかわからなくなっている人も多いですが、人は働くために生まれてくるわけではないので、自分が日々を幸せに過ごすために働きたいですよね。そして働く時は生産性を高めてしっかり仕事をし、休む時はたっぷり休暇を取って徹底的に遊ぶというメリハリが大事だと思います。

欧米のエリートビジネスパーソンはみんな早起きで、日本人とは時間に関する哲学が根本的に異なり、自分や家族との時間をものすごく大切にしています。彼らは家族と楽しく過ごすために仕事はさっさと片づけるし、やる時はとことんやるという集中力があるようです。結局のところ日本人の生産性は先進国で20年以上連続最下位であり、それを長時間労働でカバーしているだけなんですよね。

時代やテクノロジーの進化によって社会は加速度的なスピードで変化しています。その上世界に先駆けて超高齢化社会に突入している日本は、あらゆることがボクらの親世代の常識とは大きく変わり始めています。今までの常識や他人の価値観に振り回されず、自らを定期的にアップデートするためにも、旅に出て多様な価値観を受け入れることが重要だと思いますね。




世界の観光客はLCCの普及と途上国の経済発展によって毎年3%~4%伸びているそうで、世界の有名観光地の多くで「オーバーツーリズム」が問題になっています。日本でも近年京都の外国人観光客が急増していて「オーバーツーリズム」が問題になっていますが、行きたいところがあるなら観光客で溢れかえって手遅れになってしまう前に行っておくべきだと思います。日本のパスポートで自由に行ける国の数は世界でもトップクラスです。こんな恵まれた国に生まれたことを忘れてはいけません。

現在新型コロナウイルスの影響で、気軽に海外に行ける状況ではありませんが、それ以外にも政治の問題やテロで行けなくなってしまったり、パリのノートルダム大聖堂や沖縄の首里城のように火災や災害などの影響で見られなくなってしまうこともありますからね。

デジタル化が進んでVRがどんなに高解像度になっても、実際の体験や楽しさには敵わないし置き換えられません。旅はその代表的なものだと思います。ボクはこれからも世界の様々な素晴らしい場所へ行って高画質な写真や映像を撮り、美しい夕日を眺めて、美味しいものを食べて、気が置けない友人たち、大切な家族や愛する人と過ごす。そういう何気ない一日を人生で増やしていきたいと思いますね。


INSTはモノやニュースをコンパクトに紹介することを心がけていますが、時々このような長めのポストをコラムとして紹介しています。今までのアーカイブは、カテゴリーメニューの「Column」から表示することができますので、是非チェックしてみてください。


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March 16, 2020 | Categories » Column, Life, Travel | Tags » , ,




 
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